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安過ぎるタマゴの値段 

いよいよ米国では平飼いが標準に・・・
以前から卵は比較的安定している価格で販売されています。
しかし経済的には物価の優等生と言われてきた卵ですが 実際には安く作る為に 相当無理をしてきています。
なぜそうなってしまうかと言うと・・・
日本では個人の 小規模な鶏卵業者さんが多く 販売先は全国規模のスーパーマーケット・チェーンや大手の食品会社が多く 力を持っている為に鶏卵業者側の価格交渉力が弱かった為です。
つまり値上げしたくても聞き入れてもらえない。
大手販売業者が すべてそうだとは言いませんが消費者が安さを求めるキッカケに スーパーなどの安売りがあります。
「卵」以外の商品でもそうですが よくスーパーでは 実際にそんな値段で販売したら赤字になってしまうはずなのに店頭では激安価格を提示し特売セールを実施しています。
そういう場合は 生産者や販売卸等にも値引きを要請し 最終的に破格の値段が実現します。
しかし これがいつも値引きを要請してたら生産者も販売卸も生活出来なくなってしまいます。
そうなると販売卸は出来るだけ安い所から仕入れたいと安い生産者を探すでしょうし 生産者は どうやったらもっと安く作れるのかを考えます。
工業製品なら そういう考え方でも仕方ないかもしれません。
しかし食品でも同じ考えで良いのでしょうか?
安く大量に作る為に 鶏を改良し
ほぼ毎日卵を産むようにし
ムヤミな突き合いを避けるために遮光し
ムヤミな突き合いを避けるためにクチバシを切り
エサを競争で食べさせるために2羽を1つのケージに入れ
一坪に70羽以上を詰め込んだり
エサは安くする為に遺伝子組み換え作物の入った配合飼料を与え
数珠繋ぎになったケージに1万羽の鶏を入れ
それを数名の従業員がコンピューターを使って管理している環境。
一般的にこういう鶏舎を ウィンドウレス鶏舎と言います。
また鶏を入れているケージを バタリーケージと言います。
(ただ管理者によってかなり上記環境には幅があります)
それらは我々が本当に求めている事でしょうか?
このバタリーケージ 写真左
EUではすでに使用禁止
米国でもカリフォルニア州では2015年から使用禁止
その後 米国全体でも コストコやマクドナルド ウォルマート ヒルトンホテル等の大手100社以上が 2025年までに 全面的に「平飼い卵」に切り替える誓約書にサインしているとのこと。
しかし 日本ではまだ対応されていません。
これは卵農家さんに対応するだけの予算が無いのもあります。
また そういう農家さんを非難するために書いているのではありません。
ある意味 農家さんも止むに止まれずやっているのです。
そういう環境を見て「可哀想」っと言うのは簡単です。
しかし農家さんに そうさせてしまったのは目先の価格に振り回されやすい私達消費者かもしれません。
安易に安物に飛びつくのではなく 生産の現場を正しく理解して適正価格の卵しか買わなければ 無闇に安い卵ばかりという事はなくなる筈 そうなれば きっと良い卵を作ってくれる生産者さん達も必ず出てくるはずです。
また良い卵とは何か?また適正価格が分からないという人も多いと思いますがネット上でも そういう情報を発信している鶏卵農家さんもいらっしゃるので 是非いろいろ調べてみて下さい。
結局の所 あまりに経済性ばかりを優先してしまう事に問題があるのであって 本来は 経済性と健全性を天秤に掛けて バランスの良い所を目指すべきだと思います。
本当に健全で美味しい卵に出会えるように 私達 消費者も勉強しましょう。
ちなみに卵の適正価格ですが 育てる環境によってもかなり幅があると思います。
僕が考えるには 過去に聞いた農家さん達の話から・・・
10個 300円が最低ライン それ以上は 育て方等 こだわり具合で様々だと思います。どこまで求めるかによって500円だったり1000円や1500円になったりすると思います。
また関係者様の経営努力を否定する物では有りませんが10個100円という価格設定が安過ぎたのです。
いつも言いますが 自分が選ぶ物は その商品に投資&投票している事になります。
少しでも良い物を残したければ 良い物を選ぶ事をお勧め致します。
それが我々世代が 子ども達の世代に胸を張って残せる文化の1つでもあると思うのです。
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現代自然派調理研究家 美食家
 元々臨床検査会社に勤めていた所から
健康的な食事に興味を持ち現在は
静岡県焼津市の調理研究室で食事と
健康についての研究 その他 店舗や
調理のプロデュースをさせて頂いております。
現代自然派調理研究室 a seed Jeff
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